たけのこの本棚

読んだ本の感想を気ままに書いてます。

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天使は奇跡を希う

天使は奇跡を希う

今回は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」でおなじみ七月隆文さんです。七月隆文さんは中学生のころ「白人萠乃と世界の危機」を読んでからずっとファンでして。こちらもコミカルな会話と軽いノリが楽しめるのでおすすめです。古い本なので入手困難な上に、中身がちょっとえっちなので読む人を選ぶとは思いますが…
今回は転校生の背中に生えた天使の羽が気になる系男子こと良史君と、くだんの転校生ユーカが主人公です。あまり突っ込むとネタバレになるので言えませんが、二人が主人公ってところがミソですね。ユーカを天国に帰れるように友達も集まって試行錯誤しています。最初は軽いラブコメ風を装いつつ、最後は……という感じで。「ぼくは明日、~」とはまた違った涙を誘うに違いありません。特に後半はハラハラしながら読みました。まさに一気読み。さすが七月隆文さん。侮れません。
さて、七月隆文さんの初期の作品と比べますと、ずいぶん文章が洗練されてきたなあという印象を受けます。セリフ一つ一つの切れが段違いです。この人がどれだけ慎重に言葉を選んで文を書いているのか伝わってきます。おすすめです。

荒野

荒野

いろいろな版で出ていますが、個人的に岸田メルさんが好きなので新しい版のものを。
こちらは主人公:荒野ちゃんが中学一年生から高校生に至るまでの青春を書いた作品となっております。青春フェアで買いましたのでもちろん青春ものです。しかしスポコンのような熱さもなければ普通の恋愛小説のようなお涙頂戴でもない。荒野ちゃんの、その一瞬一瞬の悩みや葛藤をそのまま切り抜いています。なので物語の起伏は少ないです。この本を、今中学生の女の子が「あるある」と頷きながら読むのもよし、大人になった後に「懐かしいなあ」と目を細めながら読むのもいいと思います。きっと読んだ方の年代によって感想も大きく違ってくるはずです。
余談ですが表紙の岸田メルさんのイラストも素晴らしいですね。はにかみながらこちらを振振り向く荒野ちゃん。まだだぼっとしていて着慣れないセーラー服が印象的です。ぎこちない笑顔もいいですね。荒野ちゃんがどんな人物かよく表現された一枚だと思います。

異世界居酒屋「のぶ」

異世界居酒屋「のぶ」

今ラノベ界ではいわゆる「異世界もの」がブームとなっていますので、それに乗っかってみました。ジャンルとしては「異世界食堂」と同じになるのでしょうか。あちらは洋食がメインとなっておりましたが、今作は居酒屋なので和食がメインです。
内容といたしましては、異世界にある居酒屋「のぶ」に次々とお客さんが来て、その料理のおいしさに驚く、というものになっております。異世界食堂の和食版ですね。こちらではもう少し人物描写に力を入れていますが、おおむねそういった内容です。登場する料理のラインナップは様々で、生ビールから枝豆、果てはプリンやサンドイッチなど。どれも美味しそうで読んでいるこちらもお腹が空いてきます。夜に読むと厄介なことになりますのでご注意を(笑)
ところで四巻で初めて異世界の大陸地図が掲載されていましたが、アレにとてもよく似ていましたね。あの国がある辺りに酷似しているのは、何かの伏線でしょうか。とちょっとわくわくしながら、5杯目も楽しみにしております。

うっとり、チョコレート

うっとり、チョコレート

長らくご無沙汰しておりました。ちょっとシリーズものを片付けていたものでして…。
さて、チョコレートの本です。私もチョコジャンキーです。女子の大半はチョコジャンキーなのではないでしょうか。チョコが嫌いな女性を見たことがありません。もう人類はチョコを食べる運命にあるのではないでしょうか。
戯言はここまでにしておきまして。
こちらはチョコレートにまつわるエピソードを様々な作家さんがつぶやいていくものとなっているのですが、なにせその作家陣が豪華なこと。昨年の本屋大賞を受賞された宮下奈都さんや「サラバ」でおなじみ西加奈子さん、文壇の重鎮浅田次郎さんを筆頭に、なんとあの村上春樹さんも参戦しております。これだけでもう読む価値がうなぎ上りなのですが、エピソードの方もバリエーション豊かに取り揃えております。チョコレート関連のお話なのでバレンタインのお話が多いのですが、皆さん思い思いのエピソードを語ってくださいます。一つのお話が二、三ページで終わるのも、ちょい読みが出来てうれしいですね。

蜂蜜と遠雷

蜂蜜と遠雷

たまには話題の本でも。
言わずと知れた、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した本作。恩田陸さんは初読みです。そういえば本屋大賞といえば、昨年の受賞作「羊と鋼の森」もピアノものでしたね。そちらは調律師の話でしたが、今作はコンクールの話がメインです。主な登場人物は四名で、それぞれ才能を秘めたピアニストです。彼らが様々な思いを胸にコンクールに挑んでいく――というのが大まかなストーリー。とくにその中でも大御所ピアにストからの「ギフト」が重要な役割を果たしていきます。四人は生まれも育ちもそれぞれ。抱える問題も違います。
が、それよりも。
今作がもっともすぐれている点は、音楽の描写ではないかと勝手に思っております。恥ずかしながらクラシックやピアノに疎い私でも、彼らが奏でるピアノは圧倒的な音量を以て聞こえてきます。本当、四人が演奏するピアノの音色の違いまで聞こえてきそうなレベルです。しかもそれがまだるっこしい文章ではなく、いたってシンプルに、いとも簡単そうに書かれています。その筆力には思わずうなってしまいました。私が偉そうなことは言えませんが(笑)、とにかく、演奏シーンは大迫力です。
去年の本屋大賞ではピアノ本体のアプローチの新しさで話題になりましたが、今作はピアノの音色一粒一粒に真摯に向き合った作品だと思います。特にピアノをかじったことのある方なら楽しめるのではないでしょうか。
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